ダンスや演技において、「感情」はとても大切な要素です。
全く同じ振り付けで踊っても、嬉しい気持ちで踊るのと、悲しい気持ちで踊るのだと、踊りの強弱や張り、タイミングの取り方や、はたまた空気感などが変わってきて、全く別のものに見えることもあります。
デモンストレーションやショーなどは音楽に合わせて、自分の表現したい「感情」を設定して踊ります。
別れを歌ったワルツなら悲しいくて寂しい「感情」、弾けるような明るいサンバなら楽しさや嬉しさの「感情」で踊ります。
そうすると音楽との一体感が増して、観客に伝わる踊りになります。
私は主に競技としてのダンスをしていますが、そこでもこの「感情」をとても大切にしています。
勝ち負けがある以上、その結果に対しての不安や緊張の「感情」が生まれます。
それらの「感情」が強すぎると、固くて萎縮したような踊りになってしまいます。
逆にただ楽しいだけの「感情」だと、競技に必要な張りや闘志などが見えずに気の抜けた踊りになってしまいます。
ほどよい緊張感を楽しむ位のバランスが一番集中出来て、自分の力を発揮できるのではないでしょうか。
少し例外的ですが、「感情」に関して面白い経験がありました。
とある競技会でパートナーと上手く噛み合わなかったり、フロアーの流れが悪く思うように踊れなかったときにイライラしてしまった時がありました。
この怒りの「感情」を引きずったまま次のラウンドを踊ったら、周りで見ていた方から「ピリッとして迫力があって良かった」と言われて、結果も良かった事がありました。この怒りの「感情」は自分に集中出来る「感情」だと感じました。
しかし、怒りを持っていると相手への思いやりが無くなったり、やけになって踊りが雑になってしまう恐れがあるのであまりおすすめしません。
なんにせよ、「感情」によって踊りの見え方は大きく変わってくるものです。
その時その時の「感情」に任せるだけでなく、自分でコントロールする術を持っていれば思い通りの表現が出来るようになるのではないかと思います。
普段の練習から自分の「感情」に問いかけて言ってはいかがでしょうか?
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